愛しの姫の攻略方法


「…そ、そんなはっきり言わなくてもいいだろ!」


「ははっ!」


崎本は、人を疑わないんだ。


あたし今、嘘ついたのに。

ま、こんぐらいの嘘…

嘘のウチに入らないか。


「てかさ、慰めてくれるって言ったよな?」


「うん、言った。」


フられたら、慰めてあげる…

って、確かに言った。


「じゃ、慰めて…」


崎本はそう言って、急にあたしを引き寄せた。


「え?」


な、なんで?


「崎本…?」


なんであたし、抱きしめられてる?


「ちょっと…肩貸して。」


崎本…

泣いてるの?


手、震えてる。


「いいよ。
あたしの肩で良かったら。」


いくらでも貸してあげる。

それで崎本が元気になってくれるなら。



< 221 / 233 >

この作品をシェア

pagetop