愛しの姫の攻略方法
「…そ、そんなはっきり言わなくてもいいだろ!」
「ははっ!」
崎本は、人を疑わないんだ。
あたし今、嘘ついたのに。
ま、こんぐらいの嘘…
嘘のウチに入らないか。
「てかさ、慰めてくれるって言ったよな?」
「うん、言った。」
フられたら、慰めてあげる…
って、確かに言った。
「じゃ、慰めて…」
崎本はそう言って、急にあたしを引き寄せた。
「え?」
な、なんで?
「崎本…?」
なんであたし、抱きしめられてる?
「ちょっと…肩貸して。」
崎本…
泣いてるの?
手、震えてる。
「いいよ。
あたしの肩で良かったら。」
いくらでも貸してあげる。
それで崎本が元気になってくれるなら。