愛しの姫の攻略方法


「小学生か家族ずればっかじゃねえか!」


チケットを買って、映画館の中に入ったはいいけどさ。


「大丈夫大丈夫☆」


そう言って宮前は席についた。


俺も座った。


映画のチケットに書いてある番号の席に。





宮前の隣に。





…緊張、する。


席と席の間って…
こんなに近かったっけ?


「…まだかなー?」


スクリーンを見ながら、宮前はそう言った。



スクリーンを見ている宮前。


宮前の横顔を見ている俺。



…ズキン。




やっぱ、片想いって結構キツイよなー。


諦めたりは、絶対しねえけどさ。


「逢沢!
もうすぐ始まるみたいだ、よ…!?」


何驚いてんだ?

俺の顔見て驚くって、失礼なやつだな。


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