愛しの姫の攻略方法


「付き合ってないのにキスなんかしたのー!?」


「したっていうか、あれはされただけで…」


キスする気なんてこれっぽっちもなかったし。


「でも、イヤじゃなかった…でしょ?」


う、うん…。


なんでかな?

無理矢理キスされたら、イヤだって普通は思うはずなのに。


ビックリはしたけど、イヤじゃなかった。



「逢沢、本当に本気で憐が好きなんだねぇー」


「あの、女とは必要最低限のことしか話をしなかった、逢沢が…。」


そんなニヤニヤしないで下さい。

二人とも。


怖い、怖い。



「逢沢、憐のこと、よっぽど好きなんだと思う。」


…うん。

それは、分かってるよ。


逢沢は、すごく、あたしのことを想ってくれてる…と、思う。


「憐はさ、逢沢のこと好きになっていいと思うよ?」


そんなこと、言われても…。


自分でも、よく分かんないんだもん。



逢沢は、カッコ良くて、意外とノリもいいし、話しやすいし…

ちょっと…や、かなりのドSだけど、照れ屋で、優しくて…。


すごいいい奴だって、思ってる。
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