この空の下で





そんな美穂から着信が10件。
こんなこと珍しくて心配でいつもならかけない時間にかけた。

「はい、もしもーし」
「あっ美穂!何かあったの??めっちゃ着信入ってたけど。」

少し間があいて
「ひかるには1番先に言っておきたくて。ゴメンね。」

私は何のことかわからなくて困った。

「実はあたしね、春に岩手に引っ越すことになったんだ。親の転勤で。」


え…っ。
私には考えてもいなかった事実だった。

引っ越し、岩手。

「そうなんだ。ねぇ美穂??」

「ん??」

「引っ越してもまた会えるよね??ずっと友達だよね??」


そんなことしか言えなかった。
何か言おうとすると何かが溢れ出してしまう気がして。


「当たり前だよ!!!ひかるはあたしにとって家族みたいなものなんだから。また明日詳しく話すね。」




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