この空の下で




そして、本番当日。
朝から練習。

あるクラスメートが言った。
「優勝クラスは椅子片付けなんだって。優勝したくねー。」


それがまともに聞こえてきてしまって
美穂の後ろに隠れて泣いた。
悔しかった。
もう優勝は無理だって思った。


体育館に並んで開会式まで待機。
美穂と沢山、今までのこと話した。

私達が頑張った放課後。
あの時の夕日は今でも輝いてるよ。
美穂が悔しくて泣いた、あの時。
私はなにもできなかったけど
二人で頑張ったよね。
男子に文句言われながらも
声を張って練習したね。


いろいろ思い出したてたら
美穂が手を握ってきた。
その小さな手は小刻みに震えていた。

きっと緊張しているんだね。
大丈夫。
あんなに練習したんだもん。
二人の力見せつけてやろう。


私達の前に溝口先生が通った。
気づいて欲しくて手を振ってみた。

すると先生は私の視線に気づいてくれたのか
こっちを見て手を振替してくれた。

それが嬉しくて美穂と
「犬みたいだったよー!!ちょーかわいいっ。」

なんて大人相手に失礼かな?(笑)



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