この空の下で




「ひかる、お前はこんな時まで人をかばうんやな。」


ちょっと呆れたように、でも笑顔で私を見ていた。

先生、内緒にしてゴメンね。
だけど私、先生には笑っていてほしいから。


その日、美穂と二人で帰った。

「ひかるはさ、溝口のことどう思ってんの?」

急な質問にビックリしたけど私は答えた。
「んー、好きだよ!」


「そうじゃなくて!」

「えっ?」

「ほんと、ひかるは鈍感だよね。自分の気持ち。好きなんじゃないの?」

「え…、そう見える?」

「うん。あんときのひかる、目が輝いてたよ!しかも溝口もひかるには優しいというか…。ひかるさ、音楽の奴言わなかったのって溝口のためなんでしょ?」


美穂はなんでもお見通しだね。
参ったなー。
私自身、どうゆう気持ちなのかちゃんと考えたことなかったな。




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