アイヲ




君が県外に行きたいだなんて知らなかった。


なんだか、遠い。





――9月


まだ暑い中、君は言った。


「私、大学受かった」


「……そう」


俺は喜べなかった。



離れ離れ。
君は俺に相談さえしてくれなかった。


大事な事だろ?
二人にとって、とても重要で大切な事だろ?




「俺も受かったよ」




喜べなかった。
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