★短編★鉄の扉
僕の意識が消えそうな時だった。

一瞬僕を呼ぶマイちゃんの声がして

僕はその声で
意識を戻した。


そのすぐ後に
鉄の扉が開いて
人間が入ってきた。

僕は動けなかったから

抹茶が抱き上げられ出ていくのを見ていた


それからすぐに僕も外に出された
けど
太郎とゴンタ爺ちゃんとチビは出てこなかった

死んでしまったんだ


僕はそれからすぐに違う場所に連れて行かれた。


後に分かった事だけど

僕を連れて出た人間は
僕等みたいな犬を
助けてくれる人達で

抹茶はもともと
引き取る人が決まっていたのに
間違って処分され
てしまって。

助けに来た時
生き残っていた僕を見捨てる事が
できなかったみたいだ


僕はあの時聞こえたマイちゃんの声で意識を保てた


だから今生きている

マイちゃんが助けてくれたのかもしれない。


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