★短編★鉄の扉
僕が連れて行かれた場所は
中山家とは違って

建物自体が大きな
【檻】
そんな場所だった


建物の中は、
いくつもの檻に別れていて


僕は
僕と同じように
今日連れて来られた
ダルメシアンの
女の子チビと
柴の
爺ちゃん
ゴンタと、同じ檻に入れられた。

チビは不安なのか
檻のすみで奮えていて

ゴンタじいちゃんは全てわかってるかのような
落ち着いた感じで
座っていた。


ワシらは、明日にでも死ぬんじゃ


ゴンタ爺ちゃんはそお僕に言った


その檻の部屋は
僕にとって
今までのどんな場所よりも

恐ろしく、心細くなる場所だった。


大嫌いな先生のいる病院とは違う場所


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