セブンデイズ・リミテッド(仮)


 でも今は何も見えないし、何も聞こえない。嘘なくらい静かな雰囲気に、緊張がピークに達しようとしていた時、





 ゴーン、ゴーン―――…。





 静けさを破るように、鐘の音が響き渡った。

 オレは安堵と驚きの混じる気持ちで、その音を聞いていた。





「…………人が、いる?」





 誰でもいい……誰かと会わないと、気が狂いそうだ!





 急いで教会に駆け込むと、扉に手をかけた。意外と扉は重く、力を入れ引くと、ぎぎぎ、という音をたてながら、ゆっくりと開いていった。





 ――そこは、まるで別世界。





 ステンドグラスから月明かりが照らし、淡い輝きが、教会の中を包んでいる。

 まるで、教会への来訪者を歓迎するかのように。幻想的で、それでいて厳粛な場所。人の手によって造られたそれは、日常とは離れた空間を演出しているかのようだった。





 神のそばにいる為に。

 神を信じて祈る為に。





 人々のそういう思いを集結させ、それを叶えたカタチが、この教会と言う箱。

 圧倒されるような雰囲気の中、オレは奥に、何かを見つけた。近づいて行くと、それは人だった。誰かに会える、という安堵感からか、張り詰めていた感覚が少しずつ薄らいでいく。
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