セブンデイズ・リミテッド(仮)
祭壇まで行くと、そこにいるのが、自分と同い年ぐらいの少女であるのがわかった。祭壇に背を向け、少女は座り込む形で目を閉じている。
「――――」
「――――」
声をかけようと思った。でも、目を閉じているその顔がとても綺麗で――声をかけるのを、躊躇(ためら)ってしまった。
「――――」
「――――」
ようやく思考がおいついてきたのか、今更のように、オレは一つの疑問を抱いた。少女が何故ここにいるのか? という、当たり前の疑問を。少女の肩に触れ、起きるよう促(うなが)した。すると少女は、わりとすんなり目を開けてくれた。
「ここで、何してるんだ?」
「…………」
少女は、何も語らない。ただまっすぐオレを見つめるだけで、目に力は無く、まるで人形と思えてしまうほど、覇気が感じられなかった。
「――――みみ、かざり」
小さな声で、少女は呟く。よく聞こえなかったオレは、もう一度言ってくれるよう頼んだ。
「――――みみ、かざり。はやく。しないと」
「耳飾? それって、君がつけっ」
ばたんッ! という音に、言葉がかき消される。音の方を振り返ったオレは、信じられないモノを目にした。