セブンデイズ・リミテッド(仮)


 それが当たり前。主が心配するのは、私が使えなくなることぐらい。なのに、どうしてだろう。今回の主は、何も知らない人間みたいな口ぶりをしている。いつものような契約方法を知らないし、アレが何であるのかもわかっていない。

 もしかして……試してる?

 それならいいけど、本当に知らないなら困る。

 今回の目覚めは面倒だ。いきなり、アレが現れるんだから。

 おまけに、目覚めの周期も短い。あんなに私たちがやっているのに……それでもまだ、足りない?





 それだけココが壊れてる。

 それだけココは淀んでる。





 答えは既に出ていた。

 足りない、間に合わないと。アレがこの場に現れることが、何よりの証拠。





 だけど――関係ない。





 今回も止めるだけ。それが、与えられた役目だから。





 契約が完了すると同時。私の中で、【私】という個人が覚醒する。

 状況を把握した私は主をヤツから引き離し、下へ飛び降りた。なんてことない動作なのに、主は何故か、酷く怯えていた。

 あれぐらいの高さが、そんなに怖いのだろうか?

 たかだか、建物三階ほどのだというのに。





 ■■、■■■……





 教会の屋根で、ヤツは私たちを見下ろしていた。
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