セブンデイズ・リミテッド(仮)
境 界


 いつも通る道の途中、警察や救急車がいた。

 何があったのかと、人の間をかき分け覗き見る。

 見たのは、アスファルトに広がる赤。

 教会の屋上から、人が落ちたらしい。

 ちょうど、運ばれて行くのを目にした。

 ……一瞬だけ、布の隙間から顔が見えた気がする。

 世の中、本当に何が起こるかわからないものだ。

 当たり前にある日々も、ちょっとしたことで崩れるんだから。





 ――それは。





 初めて、そんな現場に出くわしたからだろう。





 日常と非日常。

 二つは、微妙なバランスで保たれている。



 歪みを見ても、人は、気付かないのだろう。

 歪みを見ても、人は、目を背けるのだろう。



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