セブンデイズ・リミテッド(仮)


「今度は念の為、封をしておきます。これで邪魔は入りません」

「お、オレにはなにがなんだかっ」

「? ただ、今回の説明をしていただければよいのですが」

「説明も何も、そんなこと知らない!」


 少女は腑に落ちないのか、困惑した表情を浮かべた。


「本当に……何も知らないのですか?」

「だから言ってるだろ。頼むから、わかるように教えてくれ!」

「…………」


 はぁ、と重いため息をもらす少女。するとオレから手を離し、祭壇に背を向ける。





「あなた……本当に」





 人間ですか? と、当たり前のことを聞かれた。


「当たり前だ。ってかそれより腕だ。大丈夫なのか!?」

「心配いりません。血は止まっていますし、傷もすぐに塞がります」

「そう、なのか? それならいいが……君は、ここにいた子と同じなのか? 最初に見た時と、髪の色なんかが違うし」

「えぇ、同じです。これはただ単に、私の属する力の色がこの色だからです。『本来の姿に返る』と言えばいいんでしょうか。この姿は、私の最初のカタチ……原点みたいなものです」

「その……原点ってのは何?」

「話しても構いませんが、理解し難いかと。常識とは違う世界の話ですから」

「ならせめて、何者なのか教えてくれ」

「あなたは――神を信じますか?」


 突然な質問に、オレは間の抜けた声をもらしていた。

 信じるもなにも、オレは特に信者ってわけじゃない。そりゃあたまには信じてみたくなる時もあるが、基本的には信じていない側の人間だ。


「別に、いてもいなくてもどっちでもって感じだな」

「では、これからする話は信じてもらえないかもしれませんね」

「神様を信じてる方がわかりやすいのか?」

「多少ですけどね。簡単に言うと、私は人間ではありません。正確には――人の道から外れた者。それを人間は、天使や悪魔。中には天狗、なんて言われることもありました」


 話は、予想通り突拍子もなかった。いきなり天使とか悪魔とか。そんなのが実際にいるのかと驚かされる。
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