セブンデイズ・リミテッド(仮)
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頬に、温もりを感じた。
この感覚は……とても、心地いい。
目を開けると、最初に映ったのは天井。光は布で和らげられ、優しく降り注いでいた。体を起こし、まだ眠っている頭を働かせる。どうやらコタツで眠ってしまったらしい。やけに喉が渇くわけだ。
「――――?」
何か……あったような。
さっきまで頭に浮かんでいたのに、すぅっと消えてしまった。まぁすぐに思い出さないってことは、そこまでたいしたことじゃないんだろう。
いつもどおり、学校へ行く準備を始める。
朝食は近くで買うことにし、オレは自転車を走らせた。
――走ること十五分。
正門を潜り、まずは駐輪場へと立ち寄る。
時間は八時ジャスト。ホームルームが始まるまで余裕がある。
教室へ入ると、さっき買った物を机の上に出す。さっさと朝飯を済ませるか。
「おっはよ~。我が友、透くんは元気かな?」
パンを食べようとしてるところに、友人が挨拶をしてきた。
……コイツは朝からテンション高いなぁ。
「おはよう。つーか、なんだよその呼び方」
「ん? そんなのただの気分だよ。特に理由はないって」
「……あぁ悪い。聞いた俺がバカだったよ」
「何、また買い食い? 最近多いな」
「別に良いだろう。ただ単に、家でゆっくり食べてる時間がないだけだ」
ふ~んなんて言いながら、誠司は自分の席である俺の前へと移動する。