セブンデイズ・リミテッド(仮)





「今日ね……教会で、事故があったんだって」





 ――――事故?


「ちょうど、神垣くんの通学路あたりだと思うんだけど。見たりしなかった?」

「いや……今日、いつもの道通らなかったから」


 ――――何を気にしてる?


「確かそこ、今日楓たちが演奏する場所だろ?」

「そのはずだったんだけどね。さすがに中止だと思う」


 見たことない。見たことないはずなのに……

 言い様のない感覚が、体を走った。


「事故ってさ、車とかなの?」

「それが違うの。実は――」

「飛び降り、じゃない?」


 なぜか、そんな言葉を口走っていた。


「よく知ってるね。どっかで聞いてきたの?」

「――なんとなく、そんな気がして」


 告げたと同時。タイミングよく予鈴が鳴った。それを聞くと、樋代はそそくさ自分の席へ移動した。しばらくすると、先生が入って来て話を始める。だがオレは、さっきの話しが気になり頭にまったく入ってこなかった。


 ///


 帰りのホームルームが終わる。

 今日は授業もなく、式や掃除だけだから昼までだ。

 息を吐きながら、イスにもたれかかる。

 さてと、これからどうしようか――?

 楽しそうな顔で、誠司がこちらを向いてきた。


「透、ちょっと街で遊んで行こうぜ」


 やっぱり誘ってきたか。

 まぁ、朝言ってたからな。
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