セブンデイズ・リミテッド(仮)
「何、他に用事とかあった?」
「いや、別に何も。いつものとこで遊ぶのか?」
「あぁ。それに、今日は新台が入ってるからな」
まただ。
この違和感は……何なんだろう?
「どうかしたのか?」
「いや。なんか、前にも同じことがあったような気がしてさ」
「そういうのデジャヴ、って言うんだっけ? まぁただの気のせいでしょ」
「だよな。悪い、忘れてくれ。――それじゃあ行きますか」
ゲームをしていれば、こんなこと考えなくなるだろう。
――だが、そうもいかないことが起こった。
今日は終業式。そんな日に、先生が見回りに来ないわけもなく。オレはちょうど、先生がゲーセンに入って来るのを見てしまった。名残惜しむ誠司を連れ、その場から逃げるように立ち去った。
未だ、未練がましく呟く誠司。気が紛れればと、本屋で攻略本でも見ることをススメた。
この場面も見たことある気が……いや、考え過ぎだよな。
しばらくすると、誠司がオレを呼びに来た。どうやら一冊お買い上げらしい。会計を済ませると、他に立ち寄る場所もないということで、今日はもう帰ることにした。
「いいのがあったのか?」
「あぁ、とりあえずはこれでよしとしとくよ」
「帰り、時間大丈夫なのか?」
「ちょうどいいのがあるよ」
駅へ歩くと、信号が赤へと変わった。
何気なく歩道の先を見ていると――。
……一瞬、だった。
でもその違和感に、オレは気にせずにはいられなかった。