セブンデイズ・リミテッド(仮)





 ――リン、リン、リン。 





 眠ってたいのに……。

 何処からか聞こえる音に耐えかね、目を開ける。するとそこは……家の前にある、神社の境内だった。





「なん、で――…」





 驚きながらも、辺りを見回す。その場から歩いてみても、誰の姿も見当たらない。はっきりと周りの景色は見えるし、ぼやけてはいない。とすると――夢の可能性は無いのか?





 ――リン。





 まただ……また、鈴の音が聞こえる。





 ――リン、リン。





 何処から聞こえるんだ?





 ――リン、リン、リン。





 自然と、体が動く。音がするであろう場所へ、足は勝手に歩みを進める。神社中央から、参拝する方へ続く道を少しそれ、手入れのされていない木々が生い茂る場所へ踏み込む。





 ――リン、リン、リン。





 音が、次第に大きくなっていく。方向はこっちであってるみたいだ。

 夜のせいか、暗い景色が続いている。段々と目が慣れてきてはいるが、一メートル前を見るのがやっとだ。
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