セブンデイズ・リミテッド(仮)





「あぁ……っぐ!?――」





 オレはその場でもがいた。痛みに耐えかねたからでなく、考えると言う行為をし続ける為に。


 何か……思い出しそうなんだ。それはとても印象的なこと。なのに……!


「――――なにを…見たん、だ?」


 あと……もう少し、と自分でわかった。

 壊れたテレビのように、断片的に見えてくる景色。これは――…


「じんじゃ、か……?」


 口にした瞬間、痛みが嘘のように消えた。

 断片的だった記憶が、一気に溢れ出る。

 そうだ……自分は家に急いでた。倒れている子を見つけたから、それでっ。


「――こんなとこっ、いる。場合じゃ――?」


 起き上がると、違和感を覚えた。

 それはきっと、ほんの些細なこと。たぶん目がおかしくなっただけ。そう思わなければこんなっ。





「なんで……こんな」





 こんなにも――月が、黒く見えるんだ?





「わけわからねぇ……」





 正直な感想を吐く。

 どうしていいかわからず、しばらくその場に立ち尽くしていた。

 ゆっくりと振り向き、自分の家を見る。


「――――連絡。しなきゃ、だよな?」


 誰に言うわけでもなく、呟いた。

 一歩進むたび、大地の感触を味わうよう静かに歩く。

 ここはオレの家か? そんな疑問が過ぎるも、今はただ、歩いていくことに必死だった。
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