セブンデイズ・リミテッド(仮)
――――リン。
また、あの音が聞こえた。ついに頭にきたんだろうか……。もうどうにでもなれって気分だ。
死というものが、ゆっくり近付いてくる。姿や形なんて無いが、部屋に漂う雰囲気がオレにそんなイメージを抱かせた。
がしゃんッ!
激しい音が部屋中に響きわたる。
窓ガラスが割れ――いや、割られていた。そしてそこから勢いよく、部屋へ飛び込んで来る何かが見えた。
「逃がしはしない」
凛とした声。よく見れば、声の主はさっきの少女のように思えた。じっと見ていれば、こちらに気付いたのか、少女は少し驚きながら、
「どうして……」
と、小さく呟いた。
ばんッ!
衝撃音がすると、少女はオレを背に担ぎ窓に身を乗り出した。ここは三階。いくらなんでも、男のオレを担いだまま下りるなんて危険だ。
「あぶなっ」
「黙って!」
告げると、少女は勢いよく飛び降りた。どかっ、と体に衝撃が来たと思えば、少女は無言のまま走り出した。
「お、おろし、て……っ」
「その体では無理です」
「いや…はずか、しぃ……」
「そんな場合じゃないです」
自分から下りる力もないオレは、仕方なく、しばらくそのままの格好でいるしかなかった。
「――――ここか」
神社に来ると、少女はオレをゆっくり下ろした。