セブンデイズ・リミテッド(仮)


「確かめていただけよ」

「ん~? なにを?」

「これは昨日、私が消したモノと同じ。消し損ねでないなら、だれかが手を加えていると思ったまで」

「へ~、けっこう早く気が付いたんだ。じゃあ早く気付いたごほうび、あげるね」


 くるり、女の子はこちらを見た。

 その顔は笑っているのに……恐怖を感じずにはいられない。


「――――逃げて!」


 叫びを聞くなり、体は素早く反応した。





「あははっ! お兄ちゃんおっそ~い」





 先ほどよりも一層軽やかで、笑うような声の後。





 ――ぴしゃり。





 生温いものが、背中全体にまとわりつく。触って見ればそれは――。





「血っ……が」





 頭の中が、真っ白になった。


「お兄ちゃんがおそいからいけないんだよ?」


 意味が解らず、オレは振り返ろうと、ゆっくり体を反転させる。





「それとも、お姉ちゃんもごほうび欲しかったのかなぁ? あはははっ」





 血は……オレのじゃない。





「はぅ、ぁ、、……ぐ、ぅ」





 これは……少女の血だ。


「からだはるなんてスゴ~イ! わたしのペットのこうげき止めるなんて、そうはいないんだよ?」


 楽しめそ~と、女の子は喜んでいた。
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