セブンデイズ・リミテッド(仮)


 白銀に輝く長い髪。

 瞳は、血のように真っ赤。

 その容姿に、女の子は少女の正体を確信した。


「へぇ~罪人だったんだ? しかも上位ランク。どちらかと言えばこっちよりなのに、神の犬になってまでそっちがわにいたいの?」


 少女は何も答えず、ただじっと、女の子に視線を合わせたまま。


「こっちにきなよ。お姉ちゃんぐらいの力なら、すぐ上にたて、る――?」


「言ったでしょう? 「あなたはここで終わる」って」


 女の子の視界が、上下に歪む。




 ――びちゃ。





 何が起きたのか理解をする間も無く、


「な…にを?」


 と、呟き女の子は倒れた。


「あなたの間に、気を流しただけだ」


 聞こえているか解らないが、少女は答えを教えた。

 真ん中から綺麗に分断された女の子の体。遠目からでも、普通の人間である透にとってはおぞましすぎる光景。辺りに漂う血の臭いも重なり、胃の中にある全てを吐き出していた。

 少女は空を見る。徐々に色が戻り始めているところを見ると、陣地が弱まりかけているようだ。


「――離れましょう」


 透の背中を擦りながら、少女は言う。だがまだ自力で動くだけの気力が無いようで、透はその場にうな垂れていた。





「――――ここにいましたか」





 突然響く男の声。少女は透を背にかばい、声の主を見た。


「さすがの私も驚きました。教会でなく神社――しかも、人間と契約状態にあるとは」


 二人の前に現れたのは、銀色をした髪の青年。耳が隠れる程の長さで、瞳は金色。スーツのような正装姿の相手に、少女は安堵の声をもらした。


「久しぶりですね。今回パートナーとなるミカエルです。どうぞよろしく」


 目の前に来ると、ミカエルと名乗った青年はお辞儀をした。
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