セブンデイズ・リミテッド(仮)
「日付が変わったので、今日を入れてあと五日ですね」
あと五日。その間、今日みたいに少女は傷付いてしまうんだろうか。
「……もし、さ。敵わない相手が現れた場合、どうするんだ?」
「今日のように、原点の更に上をいくだけです。しかしこれは、主の許可と大量の力を必要とします。回数も限れているので、できればあまり使いたくない戦術ですね」
「それでも……敵わなかったら?」
考えたくないが、それだけ強い敵だっている可能性はある。いざとなればあの天使が力を貸してくれるかもしれないけど、間に合わないことだって……。
「その場合、代わりの者が処理します」
顔色一つ変えることなく、少女は言った。
「私は負けたことがありませんが、そういった仲間を見たことはあります」
「……負けた場合、君はどうなるんだ?」
「もちろん、そこで私という存在は消滅です」
「っ! そんなあっさり言うことじゃないだろう」
「これは悲しいことではありません。死ねるということは、私たちにとって解放されるということなんです」
【へぇ~罪人だったんだ? しかも上位ランク。どちらかと言えばこっちよりなのに、神の犬になってまでそっちがわにいたいの?】
女の子が言っていた。少女は罪人だと。
もしかして、闘うことが罰になってるなんてこと……。
「私たちが負けるということは稀です。もし負けても代わりが存在しますから、心配はいりません。あなたも現世も護りぬきます」
まっすぐオレを見るその目からは、疑問なんて微塵も感じない。オレが考えることなんて、少女にとっては取るに足らないことなのかもしれない。
「……具体的に、これからどうするんだ?」
「影の回収、もしくは消去を。でもまず、先程の神社へ挨拶をしなければ」
立ち上がると、少女は玄関に向かう。慌ててオレも後を追い、二人で再び神社に出向いた。