【短編】好き。
目線の先には目を見開く翔平。
「あんた、馬鹿じゃないの!!」
「……。は?」
「は?じゃないし!退学にでもなったらどうすんのよ!」
「いやいや。普通はここで俺に感謝するんじゃねぇーの?」
そりゃあ、感謝してるわよ。
それに、何よりも
嬉しかったし…―――
「でも、翔平が退学になったらあたし…っ」
何でここで泣くかな、あたし。
「嫌だもんっ……」
嫌だよ。寂しいじゃん。
翔平が居ない学校なんて、行く意味ない。
「綾」
顔を上げると目の前に翔平。
いつも思うんだけど、近いよ……
「ごめんな、綾」
「なにが?」
「や、理由はないんだけど……」
「理由もないのに謝んな」