【短編】好き。
本当に可愛くない、あたし。
でも、それがあたしだもん……
翔平が
〝世界一魅力的な女〟
だって言ったんだからね?
だから、可愛くなろうとも思わないよ。
「ゔー……」
「泣きすぎだから」
「だって……なんか泣けて来るんだもん。しょうがないじゃない」
すると翔平はあたしの眼鏡を取って、涙を少し不器用に制服の袖で拭いてくれた。
余りにも不意討ちで、ドキッと胸が過剰に反応した。
「泣くな」
「もうちょっと言い方工夫してよねっ」
「ワガママ」
「うっさいから」
やっぱ、ちょっとだけ言葉使い直そ。