【短編】好き。

「ねぇ。何で喧嘩の理由、話さないの?」


「えっ」


「話してもいいじゃん。別に翔平は悪くないんだし……」



そう言っても翔平は誤魔化して話さない理由を教えてくれない。


それに何か怪しいと言うか……
……動揺してる感じ。



「何かやましいことでもあんの?」


「ない。いや、ある?」



疑問形で返されても、分かんないだけど。


あー、もう!



「ハッキリしなさいよっ。男でしょう!」


「あーっもう。だからぁ、バレるじゃん!俺は綾が好きなんだって!」



…………………。

……………。


………え?



「えーっとぉ……はい?」


「だから……」



コホンッと咳払いをした翔平は、微妙に顔を赤らめて。



「俺は、綾が好き……」
< 14 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop