【短編】好き。
ドックンドックン…と、半端なく心臓が全身に血を送っている。
あたし……告白された?
翔平に?
なにコレ夢?
まさかの夢オチですか?
勘弁してくださいよぉ。
試しに頬っぺをつまんでみると
「痛い!」
うん。痛かった。
「なにしてんの?」
「……翔平、眼鏡。眼鏡返して」
「俺の話を聞け。つか、何で眼鏡?」
「翔平の照れた顔がボヤけてよく見えない」
「……一生返さん」
えーー!!
翔平の照れた顔!見たい!
見ーたーいーっ!
「つーか、返事は?」
「………」
「シカトっすか、綾さん」
言わなきゃダメっすか。
〝好き〟だって。