【短編】好き。
黒ぶちの眼鏡をつけて、更に目を細めながら見つめる先は裏庭。
その裏庭に居るのは、一つ後輩の女子と幼なじみの翔平。
「ゔー…あの木、邪魔ぁ…」
よく見えない。
体を左右に動かして、よく見えるポジションを探す。
この裏庭は、よく告白に使われるんだよね。
そして何よりあの女子が翔平を呼び出した時の表情からして――翔平はあの女子に告白されている。
「あなたの親友として言おう。ストーカーになる前にさっさと告れ」
グサッ
刺さったよ刺さったよ。
胸に!グサリと!
親友の言葉がね!
「ストーカーって何よ。翔平の家までつけたって、どうせ隣なんだからストーカーにもなれないわよ!」
ついでに彼女にもなれないけどね。
自分で言ってて虚しい。