【短編】好き。

黒ぶちの眼鏡をつけて、更に目を細めながら見つめる先は裏庭。


その裏庭に居るのは、一つ後輩の女子と幼なじみの翔平。



「ゔー…あの木、邪魔ぁ…」



よく見えない。


体を左右に動かして、よく見えるポジションを探す。

この裏庭は、よく告白に使われるんだよね。


そして何よりあの女子が翔平を呼び出した時の表情からして――翔平はあの女子に告白されている。



「あなたの親友として言おう。ストーカーになる前にさっさと告れ」



グサッ


刺さったよ刺さったよ。
胸に!グサリと!


親友の言葉がね!



「ストーカーって何よ。翔平の家までつけたって、どうせ隣なんだからストーカーにもなれないわよ!」



ついでに彼女にもなれないけどね。
自分で言ってて虚しい。
< 2 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop