【短編】好き。
ありがとうはおかしいけど、感謝してる。
「ありがとう。……じゃあ、お邪魔みたいだから帰るわ」
ガッチリ絡まれてるあたしと翔平の腕を見て、田中は帰って行った。
あわてて距離をとる。
あたしってば!
大胆になりすぎだって!
「うわぁ、今のだいぶ傷ついたわ……」
「えッ」
「嘘。帰ったらさっきの続きしよっか」
さっきの続きって……
キスの続き?
そう考えたらカァッと顔が熱くなった。
「あ、これも聞いちゃダメだった?じゃあ次から聞かないで押し倒しちゃお」
「それは絶対に許可を取れ!」
「えー……」
「えー、じゃないわ!」
当たり前だろ。
アホ、バカ、ヘンタイ。
でも、そんなとこも好きです。
大好き。
≪おしまい≫