【短編】好き。
「なに言ってんだか。幼なじみだなんて一番近い存在なんだから、いいじゃない」
「沙耶はぜっんぜん分かってない!!幼なじみってのは恋愛感情を持ってもらえない、一番遠い存在なのよ!わかる?!このあたしの気持ち!!」
「はいはい……落ち着いてよ」
ゼーハーゼーハーと肩で息をするあたしを呆れ顔でなだめる沙耶。
近くて、遠い
それがあたし達〝幼なじみ〟の距離。
何年あたしがあいつを好きでいると思ってんの……10年だよ?10年。
もう、あたしの翔平への恋愛感情もついに小学4年生だよ。
素晴らしいけど
成長が見られないあたしの恋愛。
あー、やんなる。