【短編】好き。
「あ、あの木に…とと鳥がとまってたんだけど……あれっ、おっかしいなぁ。いなくなってる……」
馬鹿なあたし。
動揺しまくりじゃん。
そして沙耶よ、そんなに笑うな!
翔平の後ろで涙を流しながら、お腹を抱えて笑う沙耶を睨む。
「これ、貸して?」
「え、ちょ……」
あたしの眼鏡を取った翔平は、なんの戸惑いもなく装着。
翔平が、
あたしの眼鏡を……つけた!!
……って、あたしは何を考えているんだ。
あたし、本当にストーカーの素質あるのかもしれない……?
「度、強いね」
「あたし、目。相当悪いから」
「ふ~ん」
自分から聞いといてふ~んとはなんだ、ふ~んって。