お兄ちゃんは総長!?



「ふぇ…ヒック…ん…」


「泣くな。」



泣くなって言われると、余計涙が出てしまう。



お兄ちゃんはあたしの涙を指で拭ってくれるけど、涙は止まることを知らない。



「……千夏。」



優しい声で呼ばないで、もっと悲しくなっちゃう。



お兄ちゃん、ごめんなさい。


「…お母さんが…ック…戻って、くる…から。」



嗚咽が混じって、うまく話せない。



あたしはお兄ちゃんを押して無理やり離れた。



お母さんに見られて…誤解されたらお兄ちゃんにも迷惑だから…。




< 88 / 111 >

この作品をシェア

pagetop