変わらない夕焼け


―彼氏にふられた

告白されたから、嫌いでもなかったし、付き合ってみることにしたんだけど


おととい他の女の子といるのを見て、今日問い詰めたら、「もぅ飽きた」とか言われてふられた。
泣くほど好きだったなんて
自分でも以外だった


まだ目のまわりが熱くて
手で冷やす

あーぁ。
泣くなんてありえない。


恋なんてうまくいった
ためしがない

前好きだった人は
結局伝えられずに終わった

私の、幼なじみ…。

もう何年会ってないのかな
彼氏をつくっても

心のどこか奥の方に
幼なじみの姿があった

好きな人、よりも
幼なじみという大きな存在として


だって、彼氏ができたときに
頑張って諦めたから


いつもの帰り道を歩いていたとき
右側の道から話し声が聞こえたので見てみると

黒いスーツを来た人が
猫としゃべっていた

いい年して恥ずかしい人だな
と思ったのはいいけど


なんだか知ってるような知らないような
会ったことがある気がする
思い出そうとずっと見ていると
目が合った


「…あっ、わかった!!」

もしかして
もしかして

本当にそうなら…


「雪斗…?」



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