変わらない夕焼け


「少なくとも俺は、だけど
性格だって何一つ変わってない。海凪も、泣き虫なのとか
変わってないじゃん?
俺の、海凪への気持ちだって
あの頃と変わってない…し」


…何それ、
なんで、今更…

「…何それ…口説いてんの?
生憎と…すぐ心変わりするような軽い女じゃないんだから。」

嘘じゃない。
だって私、彼のことまだ完全にはふっきれてない

「それくらい知ってるし」

雪がわかったように言うから
なんか悔しかった

「…どうせ、
猫の世話する人がいないからでしょ。雪の、馬鹿」

ばれた?なんて
笑いながら言うけど
急に真剣な顔つきになって
`好き'なんて言うから
ドキドキはするし
余計な涙も出るし

もし、叶わないと諦めた初恋が
報われるというのなら

雪と…いたい

「今更…遅い
それに、ずるい。でも、
猫の世話くらいならしてあげる
…勘違いしないでね
…猫のためなんだから。」


「ハイハイ
猫のため猫のためー」

こいつは…さっきから…

「ムカつく…」

私の涙を拭う雪の手に
またドキドキして熱くなる

オレンジ色に光る夕日が
いつも以上に綺麗に見えた

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