愛してるを君に…

近藤優磨

この名前があったから。

あたしがこの世で
最も嫌いな奴の名前。
見たくもなかった名前。
大嫌いな奴の名前。

こいつだけはー・・・
許さない!!

「綾香~!!」
名前を呼ぶ方向を振り返ると加奈がいた。

加奈は昔からの心友で大好き。
目も大きくてぱっちりしてて、
明るくて純粋。
そんな加奈があたしは大好きー・・・。

「加奈あ!!聞いてよ!」
「綾香いいなあ!」
あたしの声を遮るように加奈が言う。
「え・・・何がいいの?」

あたしは史上最悪なんだけど。

「優磨くんと一緒じゃんっ!」
「え。」

どこがいいの?
一緒が良かったら加奈と変わってあげたいよ。

「加奈!!あたしは、まだー・・・」
話そうとした時、
予鈴の音に邪魔された。

「クラス行かなきゃ!!
初日から遅刻とか嫌だ~!!」
笑いながら加奈はあたしの手を引っ張る。

あぁ・・・そっちには行きたくないのに・・・。

あたしの気持ちなんか無視して
時は進むー・・・。

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