すき、きらい、すき
さっきから、千広の一言一言があたしの胸に新しい感情を与えていく――。
怖い……。
それが、怖いよ……。
変わりたくなんか、ないのに。
「…なんで、そんなこと言うのよ…」
……イヤ。
あたしはこんなの、イヤ。
千広がヘンだから、あたしもヘンなんだ…。
きっと、そうだ。
うまく考えられないし、ドキドキする……。
あたしじゃないみたい…。
イヤ。
イヤだよ…!
「……あたしは千広なんて、」
今まで知らない千広。
あたしの知らなかった千広。
そんな千広なんて……。