すき、きらい、すき
「…きらいだもんっ!」
俯いて、言った。
そんなあたしの声は教室に響きわたった。
ヒドイことを言ってる自覚くらいあるよ…?
けど弱いあたしでごめんね…。
この気持ちの変化に戸惑っちゃうんだもん……。
千広の顔なんて見れない……。
あ、どうしよう。
泣いちゃいそう…。
あたし、かわいくない…。
千広の前で、かわいくなる必要なんかないはずなのに、後悔の涙が溢れそう…。
バカだっていつも千広に言われたな……。
ここで泣いたら、バカだよ…。
俯いてるから、バレないだろうけど……。
「……ごめんな?」
ポンポン、とあたしの頭をなでてから
「泣かせて、ごめん…」
そう言って、千広は教室から出ていった――。