すき、きらい、すき
けど、少し引きつってね?
いつも、あんな風に笑ってたか…?
俺の見たかった笑顔ってあんなだったのか…?
――バチッ
俺の視線に気づいたのか、俺達の目が合った。
一週間振りに、由衣の顔を正面から見た。
でもその顔は、
すぐに硬直していく。
そして同時に、
目には涙が溜まっていく。
――なんでだよ?
泣かせないために離れたのに、それでもまだ泣くのかよ…?
何で、泣くんだよ…っ。
涙が落ちる寸前。
由衣は俺に背を向けて走り出した。
……何なんだよ…っ
「離せよ」
「きゃっ!」
俺はその女の腕を振り払って、知らないうちに無我夢中で由衣を追いかけていた――。