すき、きらい、すき
“すき”か“きらい”かじゃなくて…。
ただ千広の隣にいたいって思う気持ちじゃダメなのかな……。
あれから、あたしは千広を見つけるのが上手くなった。
いつも、あたしなんかより、すごくかわいい女の子と一緒にいるんだ…。
それを見ると、胸がズキッてするから、こんなの上手くならない方が良かったなって思う。
そして今日もまた見つけてしまった――。
またかわいい女の子…。
腕を絡ませてる。
…なんか…イヤだよ…。
でも、あたしと千広の視線も絡まった…。
…一週間振りだよ…?
トクン、と胸が鳴った。
嬉しい、とか…?
目には何でか涙が溜まっていくし……。
落ちちゃう…っ…!
そう思って、あたしは振り返って走り出した――。