すき、きらい、すき
夕日に照らされた由衣の笑顔にちょっと見とれてしまう。
やっぱり、かわいい。
俺の中ではダントツ一番に。
「千広ーっ!!」
――怒鳴る由衣に。
「もうっ!」
――拗ねる由衣。
俺は全ての由衣が好きだ。
けど、やっぱりどうせだったら笑っていてほしい。
由衣には笑顔が一番似合うんだから。
由衣にはいつまでも笑っていてほしいんだ。
……俺の隣で。
「ちょっと千広ー!!ちゃんと聞いてるー?」
「痛っ!」
ぷぅー、とほっぺを膨らませてる由衣にベシベシと背中を叩かれた。
……聞けてる訳ねーだろ。
てか、お前がかわいいからいけないんだろ、なんて由衣のせいにしたくなる。
「あ…わりー」
目は合わせずに、とりあえず謝った。