すき、きらい、すき
「…一緒にいても…、いい…?」
あたしの顔を赤くさせるのは、千広のせいでしょ?
「…あたしも……千広のこと
…好き…みたい…だから」
――ぎゅっ
「…きゃっ」
あたしは千広に包み込まれる。
「…俺も、好きだ…。」
耳元で囁かれた声と、
体全体で感じる千広の体温が
あたしをドキドキさせる。
「…あぁ…かっこわりぃー」
けどそう呟いた千広の耳も赤くて、ちょっと安心した。
ねぇ、千広?
さっき余裕そうな顔してたからまだ言ってあげない。
けどね……、
あたし分かったよ。
あたしも戻れないくらい
千広を好きみたい……。
あたしの初めての恋は
はじまったばかり――。
fin.