すき、きらい、すき




あ。

でも、今か?

タイミング的には今なんじゃないか?




「なんか千広ヘンなのー。からかいがいがないじゃんかー」

「うん」


今の俺には、由衣の話をちゃんと聞いてやれるほどの余裕なんてない。

…かっこわりぃー。




でも仕方ないだろ?

由衣を好きすぎるんだよ…。

好きすぎて辛い。


今の俺の気持ちなんて、由衣には分からないだろな。






俺はずっと由衣の側で、“ただの友達”を続けてきた。


よく言えば“仲のいい”かも知れないけど。



きっと由衣の中での俺への感情もそんなもんだろう。




けど俺がほしいのは、“そんなもん”じゃない。




――由衣の笑顔で。

――由衣の気持ちで。

――由衣の全部で。




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