すき、きらい、すき

由衣side





夕日が窓から射し込む放課後の教室。


……ちょっとロマンチック。




恋なんかに興味ないあたしだって、今までだったらこんなところで告白されてみたいと思うだろう。




けど、だからって…。


いや、だって、思う“だろう”だしねっ!


それにあたしたち……友達でしょ?






なんかさっきからヘンだなって思ってたら、やっぱりヘンなことを言うんだもん…。




真っ直ぐに見つめられた千広の目は、今までに見たことないくらい力強くて…。


“冗談”なんて、笑い飛ばせない。






バカ千広に言われた「好きだ」が、あたしの頭の中を何周したのか分からない。


……やっぱり分からないよ。


あたしは“好き”の意味だって分からない。




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