すき、きらい、すき
「俺は、ずっとずっと、由衣が好きだった」
そう言った瞳は優しいのに、どこか寂しげで…。
あたしの胸まで締め付けられる…。
「“友達”なんかじゃ、ダメなんだよ…。…俺はお前が好きだから…」
“好き”って言葉を聞くたびに千広の隣の居心地が悪くなっていく……。
夕日で照らされた千広の顔は、ちょっといつもよりかっこ良く見えちゃう……。
それに、心臓がヘンな音をたてるし、何でか分からないけど、涙が出そうになってしまう…。
今までなら、こんなことなかったのに――。
今までなら、もっと二人で笑っていられたのに――。
今までなら、友達なら――。
「お前を好きだから、“友達”になんて戻れない」
そんなあたしの考えを、千広はあっさりと切り捨てた……。