光の姫は誰を選ぶ
「今日皆にここに来もらったのは任務についての話がしたかったからです」
赤井さんの言葉は緊迫した空気が流れる。
皆、任務って聞くと身が引き締まるよね。
あたしも背筋をピンッと伸ばして次の言葉を待つ。
「任務というとどのような内容で?」
緊迫した空気を止めたのはミズノ君の言葉。
ミズノ君の言葉に赤井さんはニコリと微笑んだ。
「そんな固くならんでも良い。ちょっと調べてほしいことがあるのですよ」
「調べもの? なんのだよ?」
「うむ。ある学校で何か不吉な者が動いているのです。それが何かを調べてほしい」
赤井さんが深刻そうな顔をするってことは相当やっかいな話なのだろう。
「赤井さん。何か不吉な者ってなんなんですか?」
「それは私にもわかりません。ですが、その学校に関係する子から助けて欲しいと言うのがきたのです」
なんだろう。赤井さんの言葉に違和感を感じる。
「理事長。質問なんですが学校に係わる子ということは生徒ですか?」
あっ。そういうことか。
子って言ったから違和感があったんだ。大人の人が相手なら『子』とは使わない。
「さすがです。話によると生徒だけに何かが見えるようなんですよ。
私もこの前その学校に行ったのですが、薄気味悪いだけで何もわからないんです」
「ちなみにその学校の名はなんですか?」
ミズノ君がそう尋ねて少し経った後に『嫌です』そんなフウタ君の悲痛な叫びが理事長室に響き渡った。