光の姫は誰を選ぶ
「二人とも自己紹介をお願いします。最初は碧山さんからお願いします」


フウカちゃんはそう言われ黒板にチョークで名前を書き始めた。


チョークが黒板に掠れてカッカッと音が出る。


フウカちゃんは黒板に名前を書き終えると今度は黒板を背にして生徒の方に身体を向けた。


相変わらず字がきれいだな。


あたしは黒板に書かれたフウカちゃんの字を見ていた。


黒板には綺麗に整った字で『碧山　風華』と書かれていた。


「私の名は碧山　風華と言います。よろしくお願いします」


フウカちゃんは短く自己紹介を終わらせる。


『なんか碧山さんカッコイイね』

『確かにスラッとしてて背が高いもんね』


さすが女子高！
フウカちゃんは男の子にしては背は低いけど女の子だったら背は高めになるもんね。
それに今は目をキリッとさせてるおかげでいつもよりかカッコイイ。


「碧山さんの自己紹介終わったので次はあたしだね。
あたしは白原　光。皆よろしくね♪」


フウカちゃんがクールにしてるからあたしはお茶らけた感じに自己紹介をした。


こうすれば大人しい感じの人はフウカちゃんに逆に明るい感じはあたしと仲良くしようとすると思うから。


その両タイプから情報を聞き出せばなにか当たるかもしれない。


「碧山さんは一番後ろの窓際。白原さんは前から三番目の真ん中が空いてるのでそこに座って下さい」


あたしとフウカちゃんは先生に言われたように席をに向かう。


フウカちゃんは後ろの窓際なのにあたしは前から３番目でしかも真ん中って一番目立つ所じゃない。


皆に聞こえないようにブツブツ言いながら席に着いた。

あたしが席に着く前にフウカちゃんは小さく笑ったからきっとあたしの小さな声が聞こえたとは思うけど。



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