光の姫は誰を選ぶ


屋上の入り口から現れたのは黒い物体…シャドウではなくて、長い黒髪を二つに縛り服装はあたし達が着ている服と同じことから白百合女学園の生徒ということだけがわかる。


急に現れた少女は両手で刀を持ち、刀を右上に振り上げるとこちらに向かって走ってきた。


「あの子普通の人間だよね? 攻撃は控えた方がいいよね?」


まさかの白百合女学園の生徒の出現に戸惑いを隠さないあたしは咄嗟にあたしとフウタ君の周りに光輝くバリアを張った。


そのバリアに少女は構わず突っ込んできて刀を降り下ろした。


少女が斬りかかった瞬間にバリアがパリッと音を立てながらヒビが入る。


「なっ!?
普通の攻撃なら防げるはずなのになぜヒビが?」


普通の少女にしかも普通の刀での攻撃なのにバリアにヒビが入ることに驚きを隠せない。

それでもあたしはバリアが壊れないように更に力をこめてヒビを修復した。
今あたしに出来ることがそれしかなかった。



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