光の姫は誰を選ぶ

「おさ「婚約者だよ！」はっ？」


あたしが喋ろうとした時にあたしの言葉を被せるように声がした。


声がした方を見るとそこには真っ黒の髪を持つ少年がいた。


彼がさっきから話題になってる黒羽 雪夜(ｸﾛﾊﾞﾈ　ﾕｷﾔ)君。
ユキ君はあたしが小さい頃に仲が良かった男の子。ついでにいうとあたしの初恋の人だったりする。
彼の能力は闇の力。そう。今まで敵として闘っていた闇の王と同じ能力。
精神だけで生きていた闇の王はユキ君という身体に吸い込まれるようにして入っていった。だけど、ユキ君にも闇の力があったみたいで抵抗をしていたらしい。
詳しくはよくわからないけど、そう赤井さんから聞いた。



「ヒカリ！　本当なのか？
こいつと婚約してるっていうのは！？」


カイジ君があたしの肩を掴みガクガクと揺すった。


うっ…吐く…


「カイジ。白原さんが吐きそうになってるからやめなさい」


ミズノ君がそう言ってカイジ君の腕を止めてくれたのであたしはなんとか吐かずにすんだ。



「で、結局黒羽君は白原さんの婚約者なんですか？」


ちょっ…こわっ！
ミズノ君の後ろからは黒いモノが出ていた。


「ミズノ君。そんなヒカちゃんを虐めないでよ。僕のこん「ユキ君とあたしは幼馴染みでしょ！」


あたしはこの騒ぎの原因であるユキ君の頭をポカッて叩いた。


「あの大人しくて可愛かったヒカちゃんが僕を殴った
小さい頃は僕とチューした仲なのに…」


「「「「はぁ？　今なんていった！？」」」」


なんか皆変だよ。
まぁ、これもユキ君のせいか…


あたしは溜め息を一度ついた。