記憶の中で…
第一章
転校生
学校へと続く並木道。
道の両サイドに植えられた木々が風が吹く度、ザワザワと音をたてる。
丁度生い茂った葉が直射日光を遮っているせいで風が気持ちいい。
この並木道が終わると学校が見えてくる。
今日は夏休みの図書館解放で本を返しに来たんだ。
ついでに課題をやっていこうと思い、学校に向かっている。
学校に到着すると体育館やグラウンドからは、運動部の掛け声やボールを打つ音が聞こえる。
こんなに暑いのにみんな頑張るなあ。
そんな事を思いつつ、図書室へ向かった。
本を返却してお目当ての本を借り、課題を広げた。
二時間程やってから質問しようと職員室へ寄った。
先生いるかな…。
覗いてみたが丁度お昼時と重なって、先生は数人パラパラといるだけだ。
森ちゃんいないなあ…。
森ちゃんというのは、担任の数学の先生。生徒からは人気があって慕われている。
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