記憶の中で…
「ユキがいてくれるから、俺はここにこうしていられるんだ。俺一人じゃ耐えられないよ。小さい頃のように、何も考えず一緒にいるより、あれこれ悩みながらお互いを信頼して、生きていけるようになりたい。回りに振り回されない、何が本当で何が嘘なのか、ちゃんと見極める事ができる大人になりたい。」
「うん。うん。私も何が正しいのか、ちゃんとわかる大人になりたい。だからいつも傍にいさせて。」
「当たり前だろ。俺が突っ走ったら誰が止めんだよ。」
クス…クスクスクス…。
笑いが込み上げて来た。
「何だよ。もう泣き止んだの?忙しい奴だな。」
二人で顔を見合わせて笑った。